王貞治

日本発、世界の〇〇

 我が家の窓から見える横浜共立学園に在学していた作家、柳美里(ユウ・ミリ)さんが昨年末、全米図書賞(翻訳部門)を『JR上野駅公園口』で受賞しました。これは2018年に、ドイツ在住の多和田葉子さんも『献灯使』で受賞しています。女性が頑張っていますね。

 世界に出ていくのに、最も難しいのが文学かなと思っていました。日本語で書かれたもので世界中の人に読んでもらうのはハードルが高い。そう思っていたので、嬉しいです。

 世界の〇〇といえば、僕の世代では野球の王貞治さん、指揮者の小澤征爾さんです。王さんは世界最多の868本のホームランを放ちました。ただ王さんは複雑だったようです。日本の球場が狭く、大リーグに比べてレベルが低いことを分かっていたからです。それでも日本中が熱狂しているので、無粋なことは言わず、合わせてくれていたように思います。

 今ではイチローという文句なしのトッププレーヤーが誕生しましたが、やはり世界の壁は高かった。周りを海に囲まれた島国と言う地理的条件もあり、海外に進出するにはそれなりに飛び越えなければならいハードルはあったと思います。

 それが最近、壁が薄くなったのか、低くなったのか、どんどん世界に飛び出す日本人が増えてきたなと感じます。素晴らしいことです。

 日本という狭い場所に囚われることなく、地球規模の視点、行動ができる時代になってきたのかなと思います。日本人は遠慮がちですが、堂々とすればいい。謙虚は大事ですが、日本人としての誇りを持って、バンバン世界に発信していける人がもっともっと増えればいいと思います。

 惠理先生もデッカイ希望を持っています。世の中に愛と光を。原村からも愛と光を届けるべく始動開始です。では、また。ペレレイ、ペレレイ。

白黒決めることについて

 僕が駆け出しの新聞記者だった頃、先輩記者から言われたことを今でもはっきりと覚えています。

 「曖昧な記事は書くな。右なのか、左なのか。はっきり示さないと読者は迷う」と。正確ではないかもしれないけど、まあそんな内容でした。

 でも世の中には白でもない、黒でもない、グレーはあるよな。そう反感を抱いたのですが、そうじゃないんですね。グレーをはっきりと「グレーです」と書けということです。「グレーに見えるけど、そうじゃないかもしれません。ま、グレーみたいなもんですかね」というようなことは書くな、ということです。

 しかし記事はいいけど、日常でも白黒を断定する習慣が身についてしまいました。それって極端ですよね。

 今のアメリカを見ていてそんなことを思い出し、考えてしまいました。トランプVSバイデンが象徴的です。「アイツの言っていることは間違いだ。嘘だ」と決めつけ、バッサリと切り捨てる。相手も同じ。分断ですね。民主主義からは程遠い。

 心が狭くなってきました。世の中全体に。だから閉塞感が漂ってきている。思い出すのは王貞治さんのこと。彼は台湾人として差別を受けて苦労したようです。そして身に着けた処世術でしょうか。相手の異見を違うなと思っても「そうですね」と必ず受け止める。その上で「僕はこんな風にも思うんですよ」と柔らく伝える。とても勉強になりました。

 世の中に100%はなかなかない。天皇を知らない人もいる、たぶん(笑)。びっくるするようなことはありますよ。でも、それはそれ。否定はよろしくない。すべて聞き入れたうえで、自分の意見も言えばいいと思うようになってきました。

 アメリカを見ていて思ったことです。では、また。

ペレレイ、ペレレイ。感謝、感謝。ヒーリングで穏やかになりましょう!