1月19日、東北自動車道でホワイトアウトが発生し、140台が立ち往生し、お一人が亡くなったというニュースがありました。

 真保裕一さんのサスペンス小説にも「ホワイトアウト」という手に汗握る快作がありましたが、実は僕も経験しています。

 もう四半世紀近く前の事。30代後半、青森支局に転勤になりました。どこの取材の帰りだったか、まったく覚えておりません。東北自動車道に乗り、青森インターチェンジで下りて支局に戻ろうとしていた時でした。いきなり雪が激しくなったと思うと、アッと言う間に目の前が真っ白になりました。フロントガラス一面に雪がかかってしまい前方がまったく見えません。が、止まることもできない。後ろから追突される危険性があります。ウインドウを下ろし、前方を確認しながら、時速10キロほどで走りました。時々、ドアを開けて路面の様子もチェックしながら途方もない時間をかけて終点までたどり着いたことを覚えています。

 怖かったです。あまり経験したくありません。青森では地吹雪が当たり前のようにあるのですが、旅行者には珍しいため「地吹雪体験ツアー」なんて企画もあって、取材したことがあります。とはいえ、都合よく吹くことは難しく、僕が取材した時はさっぱりだったので、関係者にお話を伺うだけで体験はできませんでした。

 地面に降り積もった雪が、強風で吹き上げられる事象を地吹雪といいます。地吹雪がホワイトアウトにつながるわけですね。体験取材は空振りでしたが、何と高速道路上という過酷な状況下で図らずも体験してしまうということになりました。

 自然の猛威は恐ろしいです。何事も油断せず、大自然に対しては謙虚に対した方がいいですね。くれぐれもなめてかからないことが肝要かと思います。お亡くなりになった方の冥福を祈るとともに、今年は暴風雪が多発しており、まだまだありそうなので、気をつけて行きましょう。

 ペレレイ、ペレレイ。では、また。