田舎生活

縄文の地を耕す

 惠理先生は写真がうまいなあ。鍬が土を削り掬い上げる瞬間をとらえてくれました。野球で言えばバットがボールを打つインパクトです。スマホですからシャッタースピードは速くありません。大したもんです(元スポーツ新聞社写真部デスク評)

 さて写真技術はさておき、子供の頃から読み書きが好きで、仕事もそっち方向に進んだ僕が、まさか畑の土を鍬で耕すなど半年前までは夢にも思っていませんでした。

 ここ原村は縄文の地。220坪の土地のうち、畑にする部分はおよそ30坪(100㎡)。ここに牛糞堆肥300ℓ、腐葉土200ℓ、燻炭500ℓを蒔き、土地の土と混じり合わせるために鍬を振い続ける。なかなかの重労働です。

 前回のブログで書いた土手の石積よりハードでした。しゃがみ込む姿勢ですから腰に負担がかかる。惠理先生の助けを借りてやり終えた時は、しかし充実感が疲労をはるかに上回っていました。

 そして完成したばかりのデッキから畑を眺めながら飲むビールの美味いこと(いつもうまいけど)。甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳に囲まれ幸せをかみしめます。人生って、勇気を持って決断すれば、素晴らしい展開を引き寄せることが可能であることを実感します。

 素晴らしきかな人生。第2か第3かわかりませんが、これからの生活が楽しみです。というか、楽しむのです。感謝。では、また。ペレレイ、ペレレイ。

土砂崩れとの闘いじゃ

 原村の家は八ヶ岳の麓にありますから、緩やかな傾斜があります。家を建てる際には盛土して平らにしていますから、土地の端は50~60センチほどの段差があり土手になっています。大雨が降れば、この傾斜が崩れる恐れがあるのです。土砂崩れですね(笑)

 笑い事ではありません。ここをコンクリートで固めるか、ブロックで塀囲みにするか、方法はいろいろあるそうです。しかし、費用が嵩む(汗) できる限り出費は抑えたい。

 そこで僕が袖をまくったしだいです。寒い中、汗をかきかき、老体に鞭打ちました。ホームセンターで軽量ブロックを購入し、下敷きにします。その上に庭から自力で掘り出した大きい石を積みます。その上に中程度の大きさの石を重ね、さらにその上に小ぶりの石を乗せました。

 写真では分かりにくいでしょうか。いずれにしても僕にとっては、重労働でした。横浜では絶対にやらない肉体を使った仕事です。出来上がった時には、充実感がありました。ビールの美味かったこと。ちなみにビールはいつ飲んでも美味いです(笑)

 外構の職人さんが「美しいです。これだけのことはなかなかできないですよ。これで雨が降ってもぜんぜん違うでしょう」と太鼓判を押してくれました。惠理先生は畑仕事に全力を注いでいますが、僕は及ばずながら、その周囲の助けになればと思います。

 楽しい。意外にも、これが結構楽しいのです。原村、万歳。何でも楽しい。では、また。ペレレイ、ペレレイ。

野生の力を味わう

 原村の家から車で10分にある燻製の美味しい「カナディアンファーム」へランチに行きました。惠理先生とハンバーグを頼んだのですが、店主が「豚がいいか、鹿がいいか」と聞いてきました。

 なんと鹿です。当然、そちらを頼みました。すると即座に店主から「うまいよ」と嬉しそうな答えが返ってきました。敬遠する人が多いのかも知れません。僕たちは迷いません。最近、ジビエづいており、その魅力にはまりつつあるからです。石川町にも店主自ら狩猟する店があるのです。

 さて、その鹿のハンバーグ。噛んだ瞬間から違います。噛むたび、口の中を野生の鹿が疾走します。走り回る筋肉を感じます。家の前で2頭の牡鹿と女鹿が並走する姿を見かけましたが、その映像が浮かび上がってきました。

 味も濃い。噛むたび、濃厚な肉汁が溢れてきます。幸せです。こんな美味しいハンバーグを食べたことがありません。ただ、店主の友人が狩猟してきたそうで、いつもあるとは限らないのが少し残念。それだけ貴重な味を堪能できたわけです。

 原村での楽しみがまた増えました。我が家の天然の井戸水がうまい。空気がおいしい。ことに霧に包まれた時の涼やかな清涼感は筆舌に尽くせません。自然の力がそこかしこに漲っています。

 こんな環境の中に身を置いていると、体も頭もスッキリするでしょう。細胞が生き返りそうです。細胞が喜びそうですね。いやあ、標高1100メートル、万歳!

 では、また。ペレレイ、ペレレイ。

凍傷ボーイになってまうで

 長野・原村で半移住を始めて4日目の朝。玄関前に停めている車が凍っています。我が家の標高は1150メートルぐらいでしょうか。1200メートル付近でマイナス10度だったというから、ほぼそれに近い気温まで下がっていたのでしょう。

 これまで寒さを感じるより、涼しいと思うていどでしたが、4月中旬にもなって真冬並みの極寒洗礼を浴びました。横浜の寒さとは質が違うのです。

 その中、ごみ集積所まで10分かけて歩きました。生ごみは意外に重く、手袋をしてもかじかみます。痛いほどです。

 その上、一度寄った蕎麦屋が、歩いたら何分かかるか試してみたのです。北海道ばりに道路が一直線で、車で走っているとすぐ60キロから70キロほどスピードが出てしまい、あっという間に家に着く感覚だったのです。

 途中で猛省いたしました。薄手のスニーカーだったこともあり、足底が冷え切ってしまいました。本当に凍傷になるんじゃないかと思うほどに冷たい! 何と蕎麦屋から家まで歩いて30分もかかりました。

 それでも直射日光を浴びると標高が高いために紫外線が強く、暖かく感じます。冬でも日に焼けるそうで、その感じは分かります。しかし足元から寒さが上ってきて、顔に当たる日差しと融合して体感がおかしくなりそう(笑)

 それもこれも愉快、愉快。大いに結構です。これからもいろんなことを経験していきます。では、また。ペレレイ、ペレレイ。