猫になれたら幸せだろうか? 我が家のマリンは、箱入り娘である。こちらが絶好調の時は眺めているとホッコリするが、理不尽な敵と対峙しているときは、うらやましくもある。
食う、寝る、遊ぶ。そして化粧と風呂。プリンセス・マリンの1日における5大イベントである。
飯使いは僕。寝る時は概ね先生の布団ながら、たまに僕のところへ夜這いに来る。遊びはテキトーに。
化粧と風呂当番は恵理先生。
飯皿の前に座って「ニャー」と呼べば、僕がキャットフードを差し入れさせていただく。
恵理先生が服を脱ぎ始めると風呂の前に先回りし、一緒に入浴させてもらう。出た後はブラッシングというお化粧が待っている。
遊んだ後は日がな一日、スヤスヤ眠っておられる。最近は高齢域に達しつつあるためか、よく真ん丸になってお休みなのだ。
うらやましい。
先日、山下公園で野良猫と遭遇した。意外と見目麗しい。日々、エサの獲得に苦闘しているようには見えない。なかなかのタマである。名前ではない。
さて、この野良猫のことを考えると冒頭のつぶやきは意外に難問となる。
つまり僕は根がぐうたらなのだ。マリンはうらやましくもあるが、野良猫のサバイバルライフは腰が引ける。
しかし、ここはひとつ立ち上がろう。野良猫を見習って荒波をかいくぐり、いつかマリンの生活をゲットしてやる!
ダメだ、こりゃ。では、また。
食う!
寝る!
遊ぶ!
風呂!
化粧!
何か文句あっか!
いえ、ありません。プリンセス。