僕にも取柄が、あるぅ~

  「影武者 徳川家康」(覚えておいでか、マンションのクリーンステーションから拾ってきた古本)を読んでいて、うれしい文章に出会いました。

「替玉にせよ徳川家の頂上にある身が、一介の忍びに頭を下げるとは、出来ることではない。要するに素直なのだが、六十まで素直なままでいられる男は数少ない。ある意味で非凡な男と云えた。」

 なんと、僕は62歳です。長所、美徳などがほぼない僕とはいえ、子供の頃からひとつだけ褒められ認められたところがあります。それが「洋ちゃんは素直だね」ということなんです。ただ、その一点だけで、なんとか生きてこられたようなものです。

 以来、上記の傾向に一切の変化はありません。裏を返せば成長をしていない。ただし「素直」だけは残っているように思います。今でも言われますから。

 ということは「影武者 徳川家康」の文章が僕ですか? え、非凡ですか! まあ、それはないとしても、嬉しいじゃありませんか。やっと少し誇れるものを見っけました。

 本を読んでいて感動するのは、自分で思っていてもうまく表現できずにもやもやしていたことが、明確に文章として読んで腑に落ちるから、ということを少年時代に読んだか聞いたことがあります。「そうだよ、そうだよ。僕もそう思っていたんだよ」と手を叩きたくなる感じ。それが読書のいいところです。

 自分にもいいところがあるんだ、と思えて、少しは自信もつく。とてもいいことです。では、また。ペレレイ、ペレレイ。

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